逆流性食道炎 アメリカの状況について。

逆流性食道炎 アメリカの状況について。

逆流性食道炎の患者数の話という記事で、日本の逆流性食道炎の患者数が1000万人以上いるという話題を取り上げました。他の国の状況がどうなのか気になって、試しにアメリカの状況を調べてみたという話になります。アメリカといえば日本以上にこってりした料理や砂糖たっぷりのスイーツを食べるイメージがあるのですが、その結果はというと。。。

アメリカ人口の20%

アメリカ政府が運営する国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK)のサイトでは、逆流性食道炎に関する詳しい情報が公開されています。アメリカにおける逆流性食道炎の割合についてはこのような記載がありました。

Researchers estimate that about 20 percent of people in the United States have GERD.(研究者はアメリカの人口の約20%が逆流性食道炎を患っていると推測しています)

日本の患者数は10%程度と推計されており(詳しくはこちらの記事)、アメリカの患者数の割合は日本のおよそ2倍ということになります。

アメリカ国勢調査局によると、2026年時点でのアメリカの人口は約3億4000万人。この20%となると、単純計算で6800万人が逆流性食道炎を患っているということになります。日本と比べても桁違いの患者数です。

アメリカの肥満の割合

肥満は、逆流性食道炎の大きな要因です。NIDDKのサイトを読んでいると、"overweight"(過体重、太り過ぎ)や"obesity"(肥満)というワードが繰り返し登場して、肥満について強く警鐘を鳴らしている様子が伺えます。

アメリカの肥満率はどの程度なのか調べてみると、アメリカ疾病対策センター(CDC)のサイトに下記の記述がありました。

The prevalence of obesity among U.S. adults 20 and over was 41.9% during 2017–March 2020. During the same time, the prevalence of severe obesity among U.S. adults was 9.2%. This means that more than 100 million adults have obesity, and more than 22 million adults have severe obesity.

(2017年から2020年3月の期間において、20歳以上のアメリカ成人の肥満率は41.9%でした。同期間における高度肥満(BMI40以上)の割合は9.2%でした。これは、1億人以上の成人が肥満に該当し、そのうち2,200万人以上が高度肥満であることを意味します。)

やや古いデータではありますが、アメリカにおける肥満率が40%以上という、衝撃の数字が記されていました。最初は間違いではないかと思ったのですが、日本語のニュースでも取り上げられているようです。

NIDDKのサイトでも、逆流性食道炎の症状を緩和するために体重を落とすことの重要性が繰り返し強調されていました。

その他の要因は?

アメリカの逆流性食道炎の患者数が多い原因として、脂肪の多い食生活や、砂糖たっぷりの甘いスイーツなどが思い浮かびます。

旅行や出張で何度かアメリカに行った経験から言うと

  • 高級なレストランなどではヘルシーな食事ができるが、安く済ませようとハンバーガーのチェーン店などで食事をすると脂肪分が多くハイカロリーな食事になる
  • スイーツは全体的に驚くほど甘く、油をたっぷり含んでいることが多い

という傾向があるように思います。そして全体的に量が多いのも特徴です。

はじめてアメリカに行って、ニューヨークの空港でハンバーガーチェーン店に行った時、ドリンクセットにもう1品追加して注文したら「あなた小さいけどそんなに食べられるの?」と女性店員に笑いながら言われたことがあります。「大丈夫だよ」と言って待っていたら、驚くような量が出てきて焦りました。大丈夫と言った手前、意地になって全部食べきりましたが、アメリカ人の体が大きいのはたくさん食べるからなんだなあと妙に納得したのを覚えています。

ちなみに私にとってそのときが初めての海外旅行で、ニューヨーク、フォートワース、セントルイスと回ったのですが、ニューヨークの中心部はスタイルがよくて格好いい人が多かったのに対して、その他の都市は小太りの人が多かったような印象が残っています(一部はいわゆる「激太り」の部類)。都会の人はたくさん歩くからあまり太らないのだろうか、と思っていたのですが、本当のところは分かりません。逆の視点から見ると、アメリカの車社会→運動不足→肥満率の増加→逆流性食道炎の増加、という関連も考えられます。

上記の内容は確たるデータがないため断言はできませんが、いずれにしても、日本とは異なるアメリカの食生活が様々な形で逆流性食道炎の要因になっている可能性はあると言えます。この点を意識して、日本での食生活に意識を向けると、胃酸逆流を防止するヒントが見つかるかもしれません。

まとめ

アメリカでは人口の約20%、実数にして約6,800万人が逆流性食道炎を患っていると推計されており、日本の約2倍の割合です。その背景には肥満率の高さ(成人の約42%)、脂肪分や糖分の多い食生活などが考えられます。

日本にいると「アメリカの食生活は自分には関係ない」と思いがちですが、食の欧米化が進む日本においても、アメリカの状況は他人事ではありません。アメリカの事例を注意深く観察すれば、日々の食生活を見直すヒントを見つけることができるかもしれません。

この記事の内容は参考情報としてお読みください。免責事項をお読みの上、症状や治療については、必ず医師にご相談ください。