
上半身を高くして寝るという話。
逆流性食道炎に悩む私は「横になる」という姿勢にとても敏感です。寝る前3時間ルールの話。で書いたとおり、食べた後の3時間は胃酸が逆流しやすいため特に大事。疲れてゴロンと横になる場合は、必ず頭の中で「食べてから3時間たってるかな」と振り返るほどです。
そして、3時間が経過したとしても注意したいのが寝る時の姿勢。きょうはこれについて考えてみようと思います。
上半身を高くして寝る
最初に強調しておきたいのですが、今回注目するのは「枕を高くして寝る」ことではなく、あくまで「上半身を高くして寝る」ことになります。枕のみを高くして寝る行為は「殿様枕症候群」のリスクがあり、脳卒中になる可能性が高くなるとして専門家が警鐘を鳴らしています(参考:枕が高いと脳卒中になる? ―特発性椎骨動脈解離と高い枕の関係と、殿様枕症候群の提唱―|プレスリリース|広報活動|国立循環器病研究センター)ので、あくまで「腰から上の上半身全体を高くして寝る姿勢」と理解いただければと思います。
胃酸の逆流は夜寝る時に起こりやすいというのは多くの専門家が指摘することで、私の経験からも間違いないと言えます。寝る前3時間ルールの話。の記事では、食べてから最低3時間は横にならないようにすべしという話題を取り上げましたが、たとえ3時間経過していても、横になって寝ていると胃酸が逆流して胸焼けが起きてしまうことはあります。人間の体の構造上、横になると胃酸が食道に流れ込みやすくなってしまうから、と考えられています。
。。。が、(私の経験則ですが)食べてから十分時間が経過したという前提で、上半身を高くして寝ると胃酸の逆流は起こりにくいです。多くの病院や医師も上半身を高くして寝ることを推奨しています。胃につながる食道の入口が少しでも上になることで、胃酸が食道に流れ込みにくくなるということですが、言われてみないとなかなか気づかない点かもしれません。
論文を調べてみた
「上半身を高くして寝ると胃酸逆流に効果がある」という説を調べてみると、複数の研究をまとめた2021年のこちらの論文(Head of bed elevation to relieve gastroesophageal reflux symptoms: a systematic review)に行き当たりました。
この論文ではベッドの片方を20cm高くして傾斜をつける方法と、三角型の枕を使用する方法について検証を行い、患者の感想などを紹介しています。しかし、その結果については。。。
Methodological and reporting limitations in available literature preclude confident conclusions about the effect of head of bed elevation in relieving gastroesophageal symptoms. However, head of bed elevation could be still considered as a cheap, relatively safe, and promising alternative to drug interventions with unfavourable safety profiles.
既存の文献には手法や報告内容の限界があるため、ベッドの頭側を高くすることが胃食道症状を緩和する効果について、確信を持った結論を下すことは困難です。しかし、上半身を高くする方法は安価で比較的安全であり、副作用が懸念される薬物療法に代わる、期待の持てる選択肢として依然として検討に値します。
という結論に達しています。こんな論文もあるのかと少し驚いたのですが、おっしゃる通り、安価でリスクも少ない方法であるため、試してみる価値はあると思います。
上半身を高くして寝るグッズ
私も上半身を高くして寝るために、三角枕を使用しています。
https://www.amazon.co.jp/dp/B074C7XQB8?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_title
Amazonで購入したこちらの商品です。レビューを見ても、逆流性食道炎の症状緩和を目的にしている人が多いようです。
実際に使ってみた感想としては、劇的に改善するわけではないけど、「使わないよりは効果あるかも」といった感じです。以前は時々、朝起きた時に胸焼けがすることがあったのですが、これを使い始めてからは、朝に胸焼けを感じることはない気がします。使い始めるときは、睡眠が妨げられるのではないか、眠りが浅くなるのではないか、など気にしていたのですが、それほど気になりません。2年以上ほぼ毎日これを使っているため、出張や旅行でこの三角枕がないと不安になるくらいです。
その他、ベッドの頭の側を高くしてみるのも効果がありそうですが、正直私はやったことがないです。。調べてみると、電動で上半身の高さを変えられるベッドというのがあるそうで、介護用としてニーズがあるらしく、多くの商品が販売されているようです。
三角枕はとてもいい商品だと思うのですが、それほど大きくないので、左右に寝返りをうった時に上半身が落ちてしまうことがあるのが玉にキズ。ベッド全体が斜めになっていればこんなことはないのになと思うことがあり、その点電動傾斜ベッドは理想の商品だと言えます。決して安くはないのですが、いつの日かこのブログで「電動傾斜ベッドを試してみた!」という記事を書いてみたいと思います。
まとめ
胃酸逆流は横になることで起こりやすくなるため、上半身を高くして寝ることは有効な対策のひとつです。ただし「枕だけを高くする」方法は脳卒中リスクがあるとして専門家が警鐘を鳴らしており、腰から上の上半身全体を高くすることが重要です。
医学的なエビデンスとしては、2021年の系統的レビューが「確信を持った結論は出せないが、安価で安全なため試してみる価値はある」と結論づけています。私自身は三角枕を2年以上使用しており、朝の胸焼けが減ったという実感があります。劇的な改善とまでは言えませんが、使わないよりは効果があると感じています。