逆流性食道炎ガイド

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逆流性食道炎と肥満の話。

逆流性食道炎 アメリカの状況についてという記事で、アメリカに行った際の体験を書きました。記事に書いたとおり、驚くほど体の大きい人を多く見かけたこと、食べ物の量がとにかく多かったこと、ドーナツやスイーツがとても甘かったことなどが記憶に残っています。

また、上の記事に書いたとおり、アメリカでは肥満率が約40%、逆流性食道炎の患者数は人口の約20%とされています。

私のように逆流性食道炎に悩む人間にとっては、食べ過ぎや甘い物のとりすぎはそれだけで要注意ですが、肥満はこれらと並ぶ典型的なリスク要因とされています。

今回は逆流性食道炎と肥満について考えてみたいと思います。

肥満と逆流性食道炎の関係

アメリカ消化器病学会(ACG)の2022年版ガイドラインでは、次のように明記されています。

We recommend weight loss in overweight and obese patients for improvement of GERD symptoms.

過体重・肥満の患者には、逆流性食道炎の症状改善のために体重減少を推奨する。

出典:ACG Clinical Guideline, 2022

では、なぜ肥満が逆流性食道炎につながるのでしょうか。

ACGのガイドラインでは、肥満が逆流性食道炎のリスクを高める理由として、以下のようなメカニズムを挙げています。

Obesity increases the risk of GERD, possibly due to a combination of eating a diet high in fat and other foods that promote reflux, increased intra-abdominal pressure that promotes reflux due to increased intra-abdominal fat, and physiologic changes induced by products of visceral fat.

肥満は、逆流を促進する脂肪分の多い食事内容、内臓脂肪の増加による腹腔内圧の上昇、内臓脂肪由来の物質による生理学的変化など、複数の要因が組み合わさることで逆流性食道炎のリスクを高める可能性がある。

つまり「食べているものの内容」「お腹にかかる圧力」「脂肪細胞から出る物質の影響」という複数の経路で逆流性食道炎に影響しているということです。逆流性食道炎の意外な原因逆流性食道炎と猫背の関係でも触れてきた「腹圧」の話が、ここでも重要な要素として出てくるのは興味深いところです。

ただし1つ目の「脂肪分の多い食事」については肥満体の人に特有の話ではなく、誰にとっても逆流性食道炎のリスク要因になり得るという点は留意しておきたいところです。

具体的にどの程度の効果があるのか

ACGのガイドラインでは、体重減少の効果を示す具体的な研究結果も紹介されています。

One study documented a 40% reduction in frequent GERD symptoms in women who reduced their BMI by 3.5 or more compared with controls.

ある研究では、BMIを3.5以上減少させた女性は、そうでない女性(対照群)と比較して、頻繁な逆流性食道炎の症状が40%減少したことが示された。

BMIを3.5減らすというのは、決して小さな変化ではありませんが、それに見合う形で症状の改善が確認されているのは、説得力のあるデータだと思います。

正直なところ

私自身はBMIが低めなので、正直なところ、この点について実体験として語ることはできません。

ただアメリカで経験した量の多い食事や、想像以上に甘かったドーナツのことは、当時は単なる文化の違いとして見ていましたが、肥満と逆流性食道炎の関係を知った今では、かなりのリスク要因だったことが分かります。

翻って日本に目を向けると、高カロリーなラーメンや揚げ物、甘いスイーツなどは強い人気を保っています。私自身、特に甘いスイーツの「多幸感」は何ものにも代えがたいとすら思ってしまいますが。。。

  1. 食べすぎて胃酸が逆流
  2. 体重増加
  3. 肥満によりまた逆流

という二重のダメージを負ってしまう可能性すらあるな、と考えると、何事も適量にとどめておくのが正解だなと思ってしまいます。

何事も適量に

アメリカのデータが示す通り、肥満がもたらす「腹圧の上昇」などは、逆流性食道炎を確実に悪化させる要因です。

私自身は痩せ型ですが、逆流性食道炎と肥満について考える中で、食生活がもたらす「食べすぎによる直接的な逆流」と「肥満を介した間接的な逆流」という、二重のリスクの存在を改めて実感しました。

魅力的な高カロリー食やスイーツが溢れる現代の日本において、誘惑をすべて断ち切るのは至難の業ですし、個人的には人生の大事な楽しみだとすら思います。

だからこそ何事も適量にとどめておくのが正解という一見当たり前のルールを忘れずにいたいものだと思いました。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考文献

Katz PO, et al. "ACG Clinical Guideline for the Diagnosis and Management of Gastroesophageal Reflux Disease." Am J Gastroenterol. 2022;117:27–56. PMC

この記事の内容は参考情報としてお読みください。免責事項をお読みの上、症状や治療については、必ず医師にご相談ください。